Sシステム奉行V ERP
概要
共用している費用について、勘定科目ごとに配賦基準を設定し、関連部門に配賦する方法を説明します。
水道光熱費は「社員数」、広告宣伝費は「完成工事高」を基準に配賦するなど、勘定科目ごとに配賦基準を細かく設定できます。
配賦すると、配賦伝票(財務会計伝票)が作成されます。
以下の共通部門の費用を配賦する場合を例に、操作方法を説明します。
例 |
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必要な設定
1. 部門ごとの配賦基準を登録する
[部門配賦基準]メニューで、共通部門の費用を配賦する基準(計数)を登録します。
- [原価管理 ‐ 配賦処理 ‐ 部門配賦 ‐ 部門配賦基準]メニューを選択します。
- コード、配賦基準名を入力します。
- 配賦計数種類を指定します。
- 社員数比の場合
- 配賦計数種類で「0:数値」を選択します。
- 各部門の社員数を入力します。
- 製造部門は、間接費を配賦する際の、配賦元になる共通工事を指定します。
なお、共通工事は[工事]メニューで登録します。間接費を計上するために共通工事にする場合は、「共通工事にする」にチェックを付けて工事を登録します。
参考 製造部門の場合は、ここで指定した共通工事に、共用している費用(間接費)として金額が計上されます。この共通工事に計上した費用(間接費)は、あとで[工事配賦]メニューで関連する工事に配賦します。配賦の流れの詳細は、こちらをご確認ください。
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完成工事高実績比の場合
- 配賦計数種類で「2:実績金額」を選択し、[F8:実績基準]を押します。
- 「完成工事高」を追加します。
「完成工事高」から「完成工事値引き」を差し引いた金額を基準とする場合は、「完成工事値引き高(計算は減算(-))」も追加します。
参考 検索画面からも実績配賦基準を追加できます。
[実績配賦基準検索]画面で「実績配賦基準を追加する」をクリックします。
- 登録した「完成工事高基準」を各部門に指定します。
- 社員数比の場合
- [F12:登録]を押します。
2. 勘定科目に配賦基準を設定する
[科目別部門配賦基準設定]メニューで、配賦する勘定科目に、 「1. 部門ごとの配賦基準を登録する」で登録した配賦基準を設定します。
- [原価管理 ‐ 配賦処理 ‐ 部門配賦 ‐ 科目別部門配賦基準設定]メニューを選択します。
- [科目別部門配賦基準設定 - 配賦選択]画面で[新規]ボタンをクリックします。
- 配賦先科目で「1:変更する」を選択し、「製造部門だけ変更する」チェックを付けます。
- 製造部門を指定します。製造部門の場合は、配賦先科目を完成工事原価科目に変更するためです。
- 配賦基準を設定します。
- 伝票種類で「0:財務会計伝票」を選択します。
- 広告宣伝費に「完成工事高実績比」の配賦基準を指定します。
- 水道光熱費に「社員数比」の配賦基準を指定し、配賦先科目に完成工事原価科目を指定します。なお、配賦元と同じ科目名の工事原価科目がある場合は、自動的に完成工事原価科目が表示されます。
- [F12:登録]を押します。
操作手順
共通部門の費用を各部門に配賦する
[部門配賦]メニューで、配賦伝票を作成します。
- [原価管理 ‐ 配賦処理 ‐ 部門配賦 ‐ 部門配賦]メニューを選択します。
- [基本]ページで以下の設定をします。
- 配賦名で、「2. 勘定科目に配賦基準を設定する」で登録した配賦を指定します。
- 配賦元部門で共通部門を指定します。
- [仕訳伝票]ページで「財務会計伝票」だけにチェックを付けて、[画面]ボタンをクリックします。
- [実行前確認]ページで、配賦基準や部門ごとに配賦される金額を確認します。
参考 配賦基準をクリックすると、[部門配賦基準]メニューで配賦基準を修正できます。
- [伝票プレビュー]ページで、作成される伝票を確認できます。
第一(二)東京建設部は製造部門のため、共通工事の完成工事原価科目に配賦されます。
内容を確認したら、[実行]ボタンをクリックします。 - 確認メッセージが表示されるので、[OK]ボタンをクリックします。
参考 |
「次回以降、同じ条件で配賦する」にチェックを付けると、今回実行した部門配賦の条件を部門配賦パターンとして登録します。部門配賦パターンとして登録しておくと、次回以降、簡単に同様の部門配賦を実行できます。 また、多段階の部門配賦を実行する場合など、複数の部門配賦パターンを一括で実行できます。 |
続いて、製造部門の共通工事に計上した金額(間接費)を、関連する工事に配賦する場合の詳細は、こちらをご確認ください。